●さかわの栞
牧野富太郎が産声を上げたのは、坂本龍馬が土佐を脱藩して1カ月後のことでした。幼くして両親を亡くし、 祖母に育てられた富太郎は、幼いころから植物に興味を持ち、小学校を2年で退学するも、植物採集をしたり、 書物で植物の名前を覚えたりと、独学で植物学の研究を続けました。 偉大なる植物学の父、牧野富太郎の生まれ故郷、佐川町には、町のあちこちに牧野博士ゆかりの場所があります。 自ら「植物の精」と名乗るほど植物を愛した牧野博士の思いを感じながら、巡ってみてはいかがでしょうか。
●牧野公園 花めぐり
成功を収めてからも、牧野博士はたびたび帰郷し、故郷への思いを生涯持ち続けました。 郷里の子どもたちの文化向上や科学教育の普及をはかるため、「佐川理学会」を創設。 自らも指導にあたるほど、熱心に取り組みました。 東京より佐川に送ったソメイヨシノの苗木は、桜の名所「牧野公園」で多くの人の目を楽しませています。 牧野博士にとって、故郷を思わせる懐かしい花、バイカオウレンは、いまも生家の裏山にたくさん自生しています。
●佐川町立 青山文庫
青山文庫の『牧野富太郎室』には、佐川町出身の植物学者・牧野富太郎博士の事跡を、博士の写生図などの植物画や、遺品とともに紹介しています。 牧野富太郎生誕150年を記念して、平成24(2012)年に佐川町総合文化センターから当館へ移設されました。